2024/08/02 11:10

こんにちは!
trunkの堀内です。

販売しているZINEの中身と、デザインするにあたって考えたことなどを書いていこうと思います。
内容についてはお手元に届いた時に楽しんでいただきたいので、ざっくりと紹介します。

ご購入検討されている方、または既にご購入された方も読んでいただけると嬉しいです!



今回は「例えば(天気の話をするように痛みについて話せれば)」展ZINEについて。




・表紙ページ

展示風景を使用しています。場所は秋田市文化創造館の1Fコミュニティスペース、撮影はSatoru Hoshinoさん。
本文ページでもたくさん写真を使わせていただきました。

☆デザイン
写真をモノクロ変換して調整し、暗めのグリーンを重ねています。
タイトルが長めでインパクトがあるので、シンプルな明朝体系のフォントに。色数は抑えてすっきりとした見た目にしつつも「ZINE」らしく異物感も残したいなと個人的には考えていました。
いくつか案を出した上で中島さん、海さんとイメージをすりあわせて、メンバー全体での意見を汲み取りつつ決定。ふだん仕事ではあまり使わない遊びのある英語フォントを試せるのが楽しかったです。


・展示写真ページ


Satoru Hoshinoさん、Sakika Matsudaさんに撮影していただいた写真。
展示では海さん、中島さんの作品のほか、ヤマモトナツキさんの作品であるピクニックのスペースとZINE、和田華子さんの映像作品やグラフィックレコーディングの作品が掲示されていました。
会場全体でいうと、山型?櫓型?のブックスタンドに、trunkメンバーやゲストが選書した書籍が並んでいます。
誰でも気軽に展示スペースに入り、椅子やベンチに腰掛け、または寝転がりながら本や漫画を読める空間になっていました。何かを食べたり飲んだり、おしゃべりすることもできます。

☆デザイン
セオリーとしては余白をたくさんとった方がいいとわかっていたのですが、使いたい写真も多かったのでとても悩みました。と同時に、「あの場面も撮影しておけば(撮影してもらっていれば)良かった」という反省も。ともあれ、素敵な写真のおかげでいいページになりました。

・イベントページ

松倉みほ子さん、依田花蓮さん、真木柾鷹さん、高井ゆと里さんをゲストにお迎えしたイベントの詳細をまとめたページです。
秋田市文化創造館の1Fは仕切りのないオープンスペースになっていて、そういう開かれた場所でジェンダーや人権、政治といったテーマのイベントを開催できたのもとても意義のあることだったと思います。出演を引き受けてくれたゲストの方々には本当に感謝しています。


☆デザイン
まずはメインの写真を決め、各イベントのタイトルをその上に載せる形にしました。
飾りとして、トランスジェンダーフラッグのアイコンを入れています。展示空間に吊り下げていたものなので覚えている方もいらっしゃるかもしれません。

・「本のはなしをする会」ページ

展示期間内に実施した読書会についてまとめたページ。
やや難解に思われがちな本を取り扱いましたが、参加者の皆さんの協力もあり、つねに和やかな雰囲気で行われました。急遽追加で行われた読書会も含め、「いま」「この場で」やる、やるべきなんだという静かな熱が会場に満ちていたように思います。
いつかまたやりたい!

☆デザイン
本文は櫻井さん、中島さんのテキストです。イラストは中島さん。
タイトルは明朝体をベースにしつつ、硬くなりすぎないように文字別でサイズや余白を調整したり、イラスト、英語の装飾を加えたりしました。


・ちいさな出来事ページ

期間中に起きた様々な小さなトピックを取り上げたページです。イラストは手塚屋さん。
メイキングというか、裏側でどういうことが起こっていたかというのを残しておきたいと思って、このページをつくりました。特にゲストの方と遭遇してしまった「ゴハンの盛り」事件は、trunkの中でこの先もずっと語り継がれていくことでしょう……。たくさんの人に支えられて展示とイベントが開催できたのだと改めて思います。

☆デザイン
配置はブロックレイアウト。テキストはメンバーに文字数を調整してもらって何とかおさめました。


・私たちのアンブレラソングス

展示空間にラジオブースを設置し、おたよりの募集と音声収録をしました。来場された方に募集したのは「あなたにとって傘のような曲」。集まった曲のプレイリストとQRコード(Apple music)も掲載しています。
テキストは私(堀内)が書きました。たたき台で提出したデザインには私自身が映っている写真がなく、メンバーに入れた方がいいと言われて載せることに。「もしかして照れが出ましたか」と言われてちょっと恥ずかしかったのを覚えています……。図星でした。

☆デザイン
手書き風のタイトルを斜めに配置。手作り感を出してみました。


・タイムライン

展示前後のtrunkの出来事と、国内のニュース・トピックを記録したタイムラインです。振り返るといろんな事が起きた年でした。

☆デザイン
線の色で分類するのと、線表を月別に区切ったデザインはまたどこかで使おうと思っています。
資料として過去つくられた様々なタイムラインのデザインにふれました。通常のページは文字が小さいほどに読む気が失せるものですが、年表などの形式になると逆に文字が小さいほど逆に「読んでやろう」という気が湧いてくるのが不思議です。……と思うのは私だけでしょうか。


・明日のはなし

trunkメンバーの海さんが書いたコラム。
内容はここでは書きませんが、たくさんの、いろんな方に読んでほしいと思います。

☆デザイン
背景の空は会場となった秋田市文化創造館を出たところの空で、携帯で撮影・加工したものです。
画質が悪いのがかえってよかった。印刷は正直いちかばちかだったのですが、ちゃんと白文字が読める程度の暗さに仕上がって助かりました。タイトルは、タイトルとわかる特徴はありつつも大きくしたくなかったので、縦書きにして少しグランジ加工を入れました。



〇折り込み型A2 ZINE



折り込みタイプのZINEです。
海さんのアイディアで、冊子に挟み込む形のポスターサイズのZINEを作ろうということに。
内容は展示内で選書した本の書影と、そのレビューです。
書影をクレヨンで描いてくれたのは中島さん。その数なんと97冊
ブックレビューとして読んでもらったあとは、ポスターとして壁に貼っても素敵です。

「非暴力の力」「フェミニズムってなんですか?」などの書籍もあれば、「COJI-COJI」「しまなみ誰そ彼」などの漫画もあるし、「anan特別編集 私たちのフェムケア2022」のような雑誌、「ADHDじん第一号」などのZINEもあれば、映画『CAROL』のパンフレットもある。

それらは一見、関連性がなさそうに見えて、実は見えない糸でつながっている。
……そんなことがぼんやりとでも伝わればいいなと個人的に思いながら配置していました。


☆デザイン
表面(イラスト)は余白のバランスをみて調整。裏面は、文字の下にうっすらと書影が見えるようになっていて、どの本がどのレビューと対応しているのかわかるようになっています。
とにかく文字量が多いので「読みやすさ」至上主義といった感じで、フォントはUDゴシック、文字サイズは無理に統一しないというルールの下、組んでいきました。



……と、こんな感じで書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?
時間があれば次は「性とジェンダーのお話会」ZINEについても書いてみたいと思います!

ではまた次回!